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○○ Pay が多すぎてややこしいので整理する 2018 冬

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日本にもっと電子マネーが普及してほしいと思うものの、種類がありすぎてどれを使ったらいいかわからんという意見もわからなくはない。 電子マネーにそれなりに関心があって最新動向を追っている自分でもそろそろ増えすぎてよくわからなくなってきたので、ここで一旦整理してみた。

日本で使える電子マネー一覧

主に日本で店頭で使える電子マネーを種類別にまとめた。

「細かい種類とかどうでもいいからどれを使えばいいか教えてくれ」という人は後半まで飛ばしてほしい。

プリペイド式・非接触型 IC カード

おそらくもっとも多くの人が親しみがある、あらかじめ IC カードにチャージした金額だけ使えるタイプの電子マネー。誰でも簡単に発行できる反面、チャージ残額を意識しないといけない。Suica などオートチャージ設定ができるものもあるが、設定するためにはクレカを作る必要がある。

  • 交通系 IC カード
    • Suica (JR東日本) など
    • ※ PiTaPa はポストペイ式なので別枠 (後述)
  • 楽天 Edy
  • nanaco (セブン&アイ)
  • WAON (イオン)

ポストペイ式・非接触型 IC カード

「クレジットカードの分身」みたいな電子マネー。クレカと違ってサインや暗証番号が必要なく、IC カードをかざすだけで決済できる。支払履歴的には紐づいているクレカで支払ったのと同じ扱いになる。プリペイド型と違ってチャージ残額を意識する必要がないので抜群に便利な反面、クレカが発行できない学生や低所得者層が使えないのが欠点。

  • iD (NTTドコモ)
  • QUICPay (JCB)
  • PiTaPa
    • 主に関西圏で使える交通系 IC カードだが、交通系の中で唯一ポストペイ式

QR コード 決済・個人間送金アプリ

最近サービスが乱立している、スマホに表示させたバーコードもしくは QR コードを読み込ませて決済する方式の電子マネー。中国などでは圧倒的に普及しているが、日本では使える店舗がまだ少ない。今年に入ってローソンでは使えるようになったが、他のコンビニでは未対応。Kyash や LINE Pay などは個人間送金ができるので、実店舗での買い物というよりは飲み会で割り勘するために使うのが便利。プリペイド式のようにチャージして使うこともできるし、クレカを紐づけておけばポストペイ式のように使うこともできる。個人的には QR コード決済は支払い完了までに手間が多くて時間がかかる1ので実店舗ではほぼ使わない。5G 回線が普及したら少しは改善されるのだろうか。

スマホに埋め込む機能

話をややこしくする元凶。大々的に名前をアピールしてるくせに店舗で「アップルペイで」って言っても使えない。これらは「別の非接触型 IC カードをスマホに埋め込める」という概念なので、例えば iPhone に埋め込んだ QUICPay で支払うときは「QUICPay で」と言わなければならない。ややこしい。しかし概念を理解してしまえばめちゃくちゃ便利なのでなんとも言えない。

非接触型 IC 内臓クレカ (NFC Pay / EMV Contactless)

クレカの国際ブランドが提供する電子マネー。追加のカードを発行しなくてもクレカそのものに非接触型 IC が埋め込まれているのでそのまま使える。 海外だと普及しているらしいが、日本では FeliCa の独自規格電子マネーの方が普及してしまったせいでイマイチ普及する気配がない。 ちなみにローソンでは使える。

ネット通販で使える

実店舗では使えないが、アカウントを持っているとネット通販で決済するときに使えて便利かもしれない決済サービス。

結局どれを使えばいいのか

Apple Pay か Google PayQUICPay + Suica を登録しておくのが最強。

この環境を作るためには「クレカが発行できる」「Apple Pay / Google Pay 対応のスマホを持っている」という条件を満たす必要があるけど、普通に働いている社会人であればそんなに高いハードルではないはず。

使い方としては「基本的に QUICPay を使い、QUICPay が使えないところでは Suica を使う」。 機能的にはポストペイ式の QUICPay の方が便利2なので「基本的には QUICPay を使う」が、もちろん電車・バスには QUICPay では乗れないし、店舗でも Suica の圧倒的な普及率と比べると QUICPay は利用できる店が少ないため、「Suica しか使えない場面では Suica を使う」ようにすると互いにカバーできて良い感じ。

Suica の物理カードを発行するには関東圏の JR の駅に行かないといけないが、モバイル Suica であれば物理カードは不要でスマホアプリをインストールするだけで発行できるので、関東圏以外に住んでいる人も問題なく使える。

QUICPay を利用するためには JCB のクレジットカードを作る必要があるが、若者であればJCB CARD W あたりを作っておけば良さそう。 年会費無料だし。 何故か Amazon 利用時のポイント還元率が Amazon 公式クレカよりも良い?とかいう話もある。

とにかく電子マネー普及してくれ

オススメは Suica + QUICPay とは言ったものの、別に種類はなんでも良いからとにかく全員電子マネー使ってほしい。

財布にいくら入ってるか気にして ATM におろしに行くとか、そろそろ面倒くさくないですか。

楽しい飲み会の最後に「ひとり4700円くださーい」とかいって小銭をじゃらじゃら集めて計算するの、やめたくないですか。

「電子マネーは "使ってる感" がないので使いすぎてしまう」という人、履歴が残って家計簿アプリと連携できる電子マネーを使ってちゃんとお金の使い方を見直してみませんか。

電子マネー、使ってみたら案外便利っすよ。 是非に。

追記とか補足とか

このエントリを公開してから指摘されたこととか気づいたこととか。

  • 「◯◯ が載ってない」
    • 知っている限り全て書いたのだけど、やはり網羅できてはいないっぽい
    • 把握している限りでは「Pixiv Pay」「d払い」
    • 他にもあったら教えてほしい
  • 「QR コード決済そんなに遅くない」
    • 少なくとも LINE Pay は QR コードを読みとった時点で決済が完了するため早いらしい
    • QR コード決済の中でもケースバイケースの模様
  • 「Google Pay 対応スマホはハードル高い」
    • 10年前のおサイフケータイのノリで「Android 端末はだいたい FeliCa 載ってるでしょ」と思っていたけど、全然そんなことはないらしい
    • スマホに FeliCa が載ってない人は iPhone か Google Pixel に買い換えよう 交通系 IC カード + QUICPay (IC カード) で代替するのが良いんじゃないかと思う
  • 「QUICPay の代わりに iD でもいいのでは?」
    • 機能的にも対応店舗数的にも大差ないので、iD でも良いと思う
    • iD の良い点は、決済音が「シャラララン☆」とオシャレな点
      • QUICPay は「グィッグベィ!!」と動物の悲鳴のような音が鳴る
    • iD の悪い点は、コンビニで「あいでぃーで」とと言うと3回に1回は「Edy」と聞き間違えられる点 (実話)
  • SuiCa じゃなくて Suica」「QUIC Pay じゃなくて QUICPay
    • 正直スマンかった (修正済み)

  1. QR コード決済のフロー: QR コードを表示 → レジの機械で読み取り → (読み取りがスマホに反映されるまで待ち) → スマホで購入承認 → (承認がレジ側に反映される待ち) → 決済完了

  2. QUICPay の方が便利な理由としては「チャージ残高を気にしなくて良い」というのが大きい。Suica のオートチャージを使っても良いが、「オートチャージは関東圏の鉄道改札でしか発動しない」など制約も多いためやはりポストペイ式の機能性には敵わない。